さくらと旦那と体温３７度の夏

６月。
今年も夏がやってきた。
そろそろ旦那が「暑いから、離れて。くっつくな」と言い出す季節。
冬場は「おれのゆたんぽさんー」て言いながらぎゅうぎゅう抱きしめて放さない癖に。
気温が高くなってくると逆にあたしに冷たくなる男。それがうちの旦那です。
なんかむかつくので、ぜってー離れてなんかやらない。
むしろ鬱陶しいほどハグせがんでみます。


７月初旬。
ひとより少し体温が高く、平熱が３７度を超えています常に。そんな嫁。
夏場、旦那に嫌がられるのはその体温のせい。
けれど諦めない。隙をついては抱っこを要求。しかし受け入れられない。
こうなると無言の攻防です。
両手広げて抱きつこうとする嫁。腕をとって力づくで阻止する旦那。
脇腹殴ってひるんだ隙に懐へ飛び込む。顔を押し返される。けっこう全力で。
・・・もうこの時点で汗だくなんだから、ハグでじんわり熱くなるのくらい、我慢すればいいと思うの。


７月中旬。
友人から「エアコンつければいいんじゃね？」とアドバイスをいただく。
それまで自然風と扇風機のみですごしていた部屋。一年ぶりにクーラーのスイッチをいれる。
涼しい部屋に、旦那ご満悦。嫁は凍えそう。寒がりですか？寒がりです。
しかしこれで！ようやく！くっついても怒られない！ハグしてもらえる！
喜んで突撃するも、なぜか阻まれる。その、あたしの顔を押し返す手は何ですか・・・？
ちょっとあたし、泣いてもいいですか


７月下旬。
いつものように寝転がる旦那にくっついてみる。ぴとり。
・・・嫌がらない。
・・・ど、どうした、なんの心境の変化か・・・風邪か？大丈夫か？
珍しいねーいやがんないねー？と聞くと
「だっておまえ、おれが拒否したらエスカレートするやん。初期段階で留めといたほうが楽だから」て。あたしゃぽけもん進化か。
・・・これは、粘り勝ち、ということでいいのだろうか。
そういうことならばと、逸る心をおさえ、しばし堪能。ぴとっぎゅぅぅぅ。

「・・・はぁぁ幸せ～」

「・・・そーか。」

「・・・」

「・・・」

「・・・うえぇぇ、暑いぃぃぃ！」

旦那汗ばんでじめっとしてる～；


「・・・お前が言うな」

旦那がちょっと泣いた夜。






毎年おなじやり取りを繰り返すのだが、今年もやっぱりこうなった。
来年は、もう少し進歩してたいものだ。
そして来年も、おなじやり取りを繰り返せますように。つつがなく。